住宅ローン借り換え講座

住宅ローンの審査=勤続年数と返済比率でほぼ決定【元銀行員が解説】

ガネぱぱ

住宅ローンはパッケージ商品なので、審査も機械的に行われることがほとんどだよ。



ガネぱぱです。
元銀行員で、本部で住宅ローンの企画部門に勤務した経験があります。

住宅ローン申し込んでも、なぜ通らないのかといった疑問について解説します。

住宅ローンの審査は勤続年数と返済比率をおさえるべき【意外とシンプルな理由】



住宅ローンの審査は、銀行内ではパッケージ商品とも言われていて、決まったチェックリストがあって、項目を機械的に〇×をしていきます。

この〇×ですが、×でも総合的に見てOK出すパターンと、
この項目の×がついたら、基本審査を通さないというものがあります。

×がつくと基本審査を通さない項目とはなにか、

それは、勤続年数と返済比率です。

信用情報といって、クレジットカードやカードローンなどの常習延滞者、いわゆるブラックリストにのっている等は当然通らないので割愛します。何回延滞があったらまずいのかは基準はまちまちですが、過去7年間で3回以上ある場合、審査上注意事項となることがあります。
また、そもそも申し込み条件である完済時の年齢オーバーや団体信用生命保険に加入できない人も同様です。

そもそも返済比率とは


返済比率は、年収に占める年間返済額の割合です。

年収300万円未満450万円未満600万円未満600万円以上
返済比率の基準20%以下30%以下35%以下40%以下
出典:不動産・住宅サイト SUUMO https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/money/jyutakuloan_hensaihiritsu/



あくまで、基準であって、各銀行それぞれで若干の差はあるかもしれませんが、おおまかにこの返済比率の基準内におさまっていることが前提となります。

私は銀行員時代、本部にいた際、住宅ローン審査の運営企画に携わった時期がありました。かんかんがくがく議論をしたのですが、勤務年数と返済比率が少しでも基準に乗らないと有無を言わさず機械的に処理している状況でした。

もちろん、取引状況(親族が経営している会社のメインバンクとか)によっては、なんでもありで審査することもありますが、それは異例中の異例です。

住宅ローンは担保付きで、この時代に銀行で借りてくれる有難い話なのですが、銀行の常識は世間の非常識という言葉もあるくらい、保守的なのが銀行です。

特に住宅ローンについては、審査といっても機械的な処理といった方がよく、私も常日頃疑問を持っていました。なんのための審査なのか、過去のクレジットの返済実績や貯蓄状況などをみて、延滞もないし、勤務年数足りないけどOKのように総合的に判断すればと思ったこともありましたが、住宅ローン自体がパッケージ商品になっている背景として、機械的にふるいにかけないと対応しきれない現状があるのかもしれません。

銀行は、信用情報(クレジットやカードローンの返済状況)を信用情報取り扱い会社に依頼して、状況を確認することができます。確認できるといっても、本部審査部門の銀行員だけ延滞が何回あるかといったことを確認できるくらいで、それ以外の銀行員は、信用情報で問題があったかどうかしかわかりません。


勤続年数と返済比率が規定に合致していないと、機械的に見合わせにするというのが実態です。

理由:可否判断の中で一番わかりやすから

たったこれだけの理由なんですかーと疑いたくもなりますが、実際の話です。

審査見合わせの理由として、銀行は本当の理由は言いません

総合的に判断して、見合わせとさせていただきます
とだけ伝えられるだけです。

本当の理由は、返済比率や勤続年数であり、それ以外は信用情報について延滞が多かったり団体信用生命保険が通らなかったという理由です。

勤続年数については、住宅ローンの商品概要に書いてありますよね。
そこで、条件なしという銀行もあるようですが、基本は1年以上となってます。

例外はあるかもしれませんが、なんでここの銀行は通ったのに、ここは通らなかったんだろう、他に借入はないし、返済比率も問題ないといった場合、勤務年数が理由といえます。

本当に勤続年数と返済比率だけなのか

住宅ローンの審査に通るためには、勤続年数と返済比率が規定内であれば、まず住宅ローンの審査に落ちることはありません。

それって本当なのか。

銀行が見るチェックポイントをもとに、解説します。

①年齢について

住宅ローンは返済期間も30年以上と長いですよね。
例えば、50歳をむかえているので、融資は難しいのかという点については、関係ありません。

住宅ローンの商品概要に、完済時の年齢条件が記載されています。
この範囲内になるように借入期間を組むことで、問題ありません。

この時に気をつけることは、借入期間を短くした結果、返済比率が規定よりオーバーしてしまうことです。

②年収について

たとえば、1,000万円の年収があるからいくらでも通るかというと、そうではないというように、いくら年収があっても、返済比率の規定内かどうかがポイントとなります。

いくらでも借りれるというわけでもないんですね。

たしかに年収は高いほうが、返済比率の基準も高くなりますが、あくまで基準内ということになるんですね。

※貯金がたくさんあるからということはプラス材料になるかもしれませんが、あくまで返済比率が基準となります。

通らなかったケースとして、
たとえば、希望融資額は3,000万円だけど、返済比率からみた融資額2,500万円だった場合、0回答、つまり減額2,500万円の回答はせず、見合わせの回答をする銀行もあります。
※減額回答の可能性も、もちろんあります。

③担保評価について

担保評価がでないから住宅ローンに通らないということはまずないと思います。

というのも、住宅を買うときって、損をしてまで買う人ってまずいないですよね。市場の流通価格というか、これだけの情報社会なので、あきらかに高い金額で購入しそうになっても、わかりますので。

万が一、担保評価で審査に影響があるとすれば、借り換えの時ではないかと思います。

金利が高いので、他の銀行に借り換えること=借り換えですが、借り換え時のローン残が通常返済したときより多く残っていた場合(返済が苦しい時期があって元金返済をストップしていたことがあったなど)、通常返済してきた場合のローン残との差額分が担保評価に影響がでるということはあるかもしれません。

まとめ

勤続年数と返済比率が住宅ローンの規定の条件にあてはまっているか、まずは確認してください。

他の借入がある場合、その返済も返済比率に含めて計算が必要になります。

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