住宅ローン借り換えの重要ポイントは7項目
住宅ローン借り換えを実際することになった場合に、ここだけはおさえておきたいポイント7項目を解説します。
実際、借り換えをしようと思ったとき、銀行員にお願いすることも多いかと思いますが、まずは、自分でいくら得が出るのか、おさえておくべきところはどこなのかを把握しておくことが大切です。
その前に・・・住宅ローン借り換えの流れについて
ポイント項目について
- メリット額(試算)は自分で確認する
- 借り換え先の相談銀行は3行とし、住宅ローン専門部署に電話する
一番良い条件の先から事前申込みを行い、他の銀行は一旦保留 - 申込み、契約までの必要な書類を把握しておく
- 現在の借入銀行には、借り換えを検討していることを言わない
- 借り換え実行日に完済できるよう、毅然と伝える
- 借り換えで団体信用生命保険の内容が劣化しないか注意する
- 住宅ローン控除がそのまま継続して利用できるか注意する
①について
メリットの計算はやはりプロにまかせたほうがいいと思いがちですよね。
でも、これは大きな間違いで、自分で計算すべきなのです。
住宅ローンの試算(メリット額がいくらでるかの計算)は、難しいものでもなく、非常に簡単です。
元利均等返済という特殊な返済方法がややこしくしているだけで、あとの計算は、足したり引いたり、かけたり、割ったりのみです。
試算の方法さえわかれば、ポイントをおさえたも同然なので、誰でもメリットを理解することができます。
ポイントとしては、
・比較対象の金利期間を理解したうえでの試算であること
・諸費用を理解していること
の2点です。
試算の方法の詳細は、下記参照ください。
諸費用については、下記参照ください。
試算をするうえで、以下が注意
・保証料の計算方法は銀行によって違うのでチェックする
②について
借り換えの相談をするとき、銀行にはどんなアクションをすればいいでしょうか。
・今の借入銀行に金利が高いから下げてもらうよう交渉する
・ほかの銀行から借り換えの提案があることを今の借入銀行に伝えて、金利をさげてもらう
・借り換えの銀行は1つにしぼり、交渉する
いずれも違います。
借り換えを検討する際は、少なくとも3つの銀行に相談すべきと思います。
3つの銀行の種類ですが、
・都市銀行
・地方銀行(信用金庫)
・ネット銀行、イオン銀行
が良いかと思います。
理由は、特徴や強味がそれぞれ違うからです。
都市銀行は、金利が比較的安めの商品があったりしますが、借り換えの審査基準(返済比率や勤続年数)は厳しめかもしれません。
地方銀行は、不良債権につながりにくい融資量の確保が銀行存続の命題となっています。担保付きの住宅ローンは優良な債権なので、積極的に取り扱っていますので、一番おすすめです。
ネット銀行、イオン銀行は、勤続年数について柔軟に対応してくれる部分があります。また、都市銀行や地方銀行に比べ、審査が緩めな感じがしますので、こちらもおすすめです。
これらの3つの銀行から良い条件の先に事前申込みを行ってください。このとき、いっしょに事前申込みを行わないでください。
順番に申し込むのは、もし、一番最初に申し込んだ銀行の結果が思わしくない場合、2つめに進むことで、銀行担当者に天秤にかけていることを知らせないためです。(一緒に申し込みをすると、一番希望する銀行の回答が遅いとき、他の銀行を待たせることになるので、あまりよくありません。)
天秤にかけることは当然だとしても、審査する側の銀行担当者に悪いイメージをあたえないようにすることが先決です。
ちなみに、たくさんの銀行に申込みをすることで、信用情報などに悪い影響がでそうなので、申込みの数は少ないほうがいいのではといった意見もありますが、まったく関係ありません。
信用情報は、延滞履歴(過去7年)やカードローンなどを含めた借入の総額を記録している情報ですが、申込みはいくら行っても借り入れが増えるわけではありませんので、悪い影響になることはありません。
③について
必要書類について、下記にまとめてみました。
状況 | 必要書類 |
事前申込み | 免許証コピー・健康保険証コピー・直近の源泉徴収票(個人事業主の方は直近3年の確定申告書)・返済明細表・直近1年の返済実績のわかる書類(通帳のコピー) |
本申込み | 住民票原本・印鑑証明書原本・所得証明書原本・売買契約書原本・重要事項説明書原本・工事請負契約書原本・建築確認済証原本・土地建物謄本関係(一般的には銀行から司法書士に依頼)・火災保険証券写し |
契約時 | 本申し込み銀行の通帳・権利証原本 |
④について
これは、徹底してください。
よくあるのが、他の銀行がきていることをつたえて、あわてて金利下げてもらったという話がありますが、そういうこともあるかもしれませんが、本来、その銀行との契約上下げることはおかしいわけですから、すんなり下げてもらえなかった時のリスクを考えると、おすすめしません。
下げますからといっても、結果的に少ししか下げなかったり、実際他で借り換えをしようとした際、じゃまをしてきたりといいことがありません。
⑤について
借り換えの実行日が決まり、完済の手続きを行うため、現在の借入銀行にいきます。これは、本人がいかなくてはならない(奥様とかでもだめで、平日なので、会社を休む必要があります)ので、負担はありますよね。
面前で全額返済が伝えにくいなどの心理的負担もあります。
この際に、借り換え後の銀行担当者に待機してもらうことも一案です。
というのも、完済しようとした際に、銀行規定の営業日前に返済の申し出をしてくれないと受け付けないなどといってくるケースが多くにあります。(実際、住宅ローンの契約書である金銭消費貸借契約書にも記載されていることがあります)
では、契約書通り、絶対受け付けないのかというと、そうでもないです。
借入しているお客様の立場で言うと、ただ単にお金ができたから全額返済するということではなく、現状の金利に不満があって、借り換えをしているわけです。
返済日が遅くなれば、余分の金利を支払わなければなりませんし、担保設定の書類である、抵当権設定契約証書は借り換え後の銀行分で契約済で、担保設定の登記が完了しているので、数日後の返済を受付するのも、今受付するのも、変わりはないのです。
では、なぜ銀行は、数日後の返済をしたいとこだわるのでしょうか。
これは、契約をひっくりかえすためなのです。
返済を受付せずに、その日の夜に金利を下げるので考え直してくれないかとお願いの訪問があったりします。
ただ、これがやはり要注意で、実際下げれたのはここまでですと
あとでいってくるパターンがあります。
結局、借り換えしたほうが得だったということになるんです。
2兎負うものは1兎をも得ずではありませんが、
借り換え実行日に完済するよう、毅然を伝えるべきです。
⑥について
団体信用生命保険は、借入人が死亡した時に、住宅ローンの残高分の返済を保険を使って免除されるものです。
ただ、現在は、オプションでいろんな商品がでてきて、
たとえば、3大疾病(ガン・脳卒中・心筋梗塞)に該当した場合、住宅ローンの支払いが免除となったり、8大疾病なるものもでてきています。
※オプションを付ける場合、金利に上乗せとなることが多いようです。
今、3大疾病がついていて、借り換え後はそのオプションがなくなっていたなんてことがならないように注意しましょう。
⑦について
住宅ローン控除が借り換えをしたばかりに適用にならなくなったなんてことがないようにしましょう。
借り換え後の住宅ローン残高が、借り換え前より増えた場合、年末調整の住宅ローン残高は調整が必要となる。
※借り換え後の控除期間は、今現在6年控除したなら、残りは4年となります。